=== Jamming WARES ====================================================== 　　　　　　　　　　　　　　‐聖　刻　混　信‐ 　　　　　　　　　　　2000年１月27日号　通巻10号 ======================================================================== 　まあた間が開いちゃいましたね。 　すいません。 　最近は生活もようやく安定して来て、なんとかペースがつかめるようになっ てまいりました。一応新婚旅行にも行って来たしな（新婚旅行とはとても思え ない構成だったが。格安チケットで向こうに渡って、宿以外は特に予約もなく、 ただ街中を放浪して飯を食うというのは新婚旅行の範疇に入るのだろうか？　 しまいにゃ日本人観光客のほとんど来ない湯治場行っちゃうしねえ）。 　いや、面白かったですよ。カミさんの行動力というか、目があったら声をか けるという信条がここまで活きるとは思いませんでしたな。おかげで助かった です。 　海外旅行へ行かれるみなさん、必要なのはほんのちょっとの語学力と、目が あったら話しかける積極性、それに度胸です。わたしにはありません：D　でも 挨拶くらいはできるようにしたいっすね。 　あと、歩くと痩せる：DDDDDD 　仕事上でもいろいろ変化がありました。本を書く仕事に変わりはないんです けど、ワースに一段落つきましたし（でもすぐに次の話が……買ってください。 お願い）、航星紀も次の巻が出ます。あと、いろいろその関連で極秘計画進行 中。ああ、早く覚書出さないと。まずー。 　で。一年ほどたちましたが。 　いまだに呪法航星紀の２巻出来てません。どうなってんだ、おい。 　もういっこの覚書の方は、去年解決しました。春にはなんとか……ホントか ？ ------------------------------------------------------------------------ ◆黄金の聖戦士 ------------------------------------------------------------------------ 　足掛け５年かかりました。剣の聖刻の最初のエピソードが終わったことにな ります。 　うわ、最初のエピソードだって。かっこいー。ＳＷかＦＳＳかって感じ：D 　いろいろフォローできなかったり、し忘れたりしたことがあってまいりまし た。たとえば朱鞘の剣の秘密とか。書こうと思ったんですが、くどくなるので やめました。流れを活かそうとすると、あれ以上余計な要素は入れられなかっ たんです。 　あと、オジャたちをエピローグで出すこととか。忘れてた：D　っていうか、 最後の方では入れることも不可能ではなかったんですが、量が増えすぎる、出 て来る脈絡がない、続編は書くつもり（聖者の仮面の）なので、やめにしまし た。 　ラストの作業はパニックでしたもん。旅行出発の朝まで直しにかかってまし てね。だいたい書き直し＆書き足しで100Ｋバイトくらいあったんですが、これ はだいたい本にして100ページ弱くらいの分量にあたります。これを12月26日の 脱稿から（正確には28日まで呆けてたので、29日から）１週間程度の期間でや ったんで、もう死にそうでした。手入れた部分は大半が書き直しでしたからな あ。 　そういうわけで、本を手にしたいまになってようやく感慨のようなものがわ いてきています。ああー。 　デイルは一貫して無口でおとなしいヤツだったので、わりと最後のこじつけ にもすんなりついてきてくれました。まあ、ラストで自己主張始めるのは当初 の予定通りではあったんですが、もうちょっと強烈にやってもよかったかなと 反省してたり。おとなしかった分、反動も大きいかなとかね。あと、ソルカの フォローももう少し入れたかったけど、流れ的に入れられなかったなあとか。 本当はマーレルがもっと絡まなきゃいけないのに、なんで〈赤〉の方にかかず らってるかなあ。せめて気にしろよ（おまえが言うな）。 　なにはともあれ、朱鞘の剣は次の〈四操兵〉にも出て来ますので、そこで説 明しましょう。て書くと、昔からＷＢを知っている人にはなんだかわかっちゃ うかなあ。そうですみなさんの予想通り、あれはアレです。いいんですけど。 　ところで、某所でマナリアードが武繰を使ったことに幻滅したとかいう声が あったんで、ここに書いておきますけども。 　武術というのは、基本的には技を知っているのと知らないのとでは対処にえ らい差が出ます。技の型を知っていれば、多少相手が素早くても、動きが予測 できますから。逆を言えば、型が知られていない技は、それだけで非常に有効 ということになります。特に西方の人間を相手にする時は、未知の技である武 繰を使うだけで心理的に優位に立てるのは自明でしょう。 　彼が武繰を学んだ最大の動機はそれですし、彼はべつに武繰の達人というほ どではありません（彼の腕は真・ラバーサには遠く及びません。本編のラバー サだとどっこいかな）。 　そんなわけで、マナリアードは東方の体術を研究していたんですね。東方か ら流れて来た武者修行の人間を招いて、教わっていたと。彼にはその財力とコ ネ、行動力は十分にありますから。 　あと、彼の変装術は、はっきり言ってかなう人間は現在西方にはいません。 でも幻術ではありません。相手にとっては見分けがつかないでしょうけど。人 間の心理を巧妙に突いた術だと言えます。身長をごまかしてたのは、衣服の模 様とつま先立ち（笑）です。そんなもんです。 　それでもなんでもありなのかなあ。彼、練法は使えないし、操兵にも乗れな いけど。 　あと、オニワロ、クレザロが強いように見えるのは、作者の演出の結果であ って、彼らはじつはたいしたことはしてません。彼らが拳のひと突きで操兵を ぶっとばしたとか、気の力で空を飛んだとか、平地を砕いて谷を作り出したっ てんなら非難はあまんじて受けますけど。せいぜい、ＰＣよりも多少強い程度 だと思うんですがね（この差がばかにならんわけですが。ゲームとしてはバラ ンス大崩れだし）。 　あと、マイマイガルはキャラクターです：D 　以上、一部の方に向けた言い訳＆ネタばらしでした。 ------------------------------------------------------------------------ ◆すばらしきかなナポリ ------------------------------------------------------------------------ 　新婚旅行の名目でイタリアへと行って来たわけですが、いろいろ面白かった です。 　特にナポリの街は好きになりました。人も含めて。 　ナポリの人たちって、ある意味すごくアバウトです。それを端的にあらわし ているのが道路事情で、ものすごい勢いでクルマが往来する大通りを、横断歩 道なしで平気で渡るし、歩行者に限れば信号もあまり守りません（さすがにク ルマは守ってますが……ナポリで運転するなんてことは考えない方がいいです。 あそこは一般人が全員プロドライバーですぜ。どこから飛び出して来るかわか んない歩行者を平然とかわしてくんですぜ）。 　それだけじゃなくて、約束もかなり守ってくれないそうです。悪意があるん ではなく、忘れちゃうんでしょう。あるいは「ま、いいか」の精神で。 　この空気は非常に心安らぐものがあります（ワタシ的には）。自分が約束反 故にされるとかなりしんどいんでしょうけど、いまのところ具体的経験がない ので、雰囲気的にはいいな、と。もちろんしっかりしてる部分はしっかりして るんですけどね。でなきゃ街そのものが成り立たないし。 　これは、他の街に比較すると非常によくわかります。 　たとえば、フィレンツェなんかはわりと生真面目な感じのする街で、いい人 なんだけど表面的にはみんな結構強面だったり、ローマは観光客ずれしすぎて て、ちょっと冷たい印象があったり（これはローマの人たちが悪いんじゃなく て、観光客相手だとまず構えちゃうせいだと思うんですが）。オルヴィエート は根っからの観光地なので、観光客慣れはしてるんですけど、すれていないと いうか。田舎の良さと観光地の慣れがうまく共存してるんでちょっと特別かな あ。やっぱりみなさん礼儀正しい感じですが。 　んが、ナポリは違う。もう空気から違う。あんまり自由なんで、泥棒とかも いるんだろうなあって思えるくらい（でも、ジプシーの数はむしろ他の街より 少なかったです。最近の市長の政策が功を奏しているようです。別にジプシー がいけないというわけじゃ……どうだろう。うーむ）。 　とにかく、ナポリの人たちは価値観が違うんですね。楽天的というか。好奇 心が旺盛で、人懐っこい。じつは冷淡な一面もあるのだけれど、それを除けば 本当に気安くいられる人々と申しましょうか。とにかく、みんなにこにこして る。気持ち悪く笑ってるんじゃなくて、そうですねえ、陽気としか言いようが ないんですがね。 　仲間と集まって話すことが大好きで、週末は街角から人影が絶えません。バ ールなんか、深夜なのに人でごったがえしてたりするんですよ。なにしてるの かっていうとただダベってるの。土曜の夜は全ナポリでそんな感じらしくって。 そのせいで渋滞起きてるくらいでしてね。 　みんな遊ぶために一所懸命働いているんです。生真面目なんですよね。だか ら、風聞で伝わって来るナポリ像はかなり違うと思いますね。街中に泥棒はそ うはいないし（言われるほどには、って意味で）、貧民窟なんかは相当に危険 だけど（命までは取られないが）、でも普通にすごすぶんには、人はとっても 人懐っこいし、物はおいしいし。 　まあとにかくですね、ナポリの人たちは、そのまんまキャラクターになりま す。それぐらい振幅の大きい人たちってことなんですが。 　つーわけで、ナポリ再々訪のために仕事してます。 　正確にはイスキア再訪のためか。初夏に行けるといいかなーって。いやはや。 ------------------------------------------------------------------------ ◆呪法航星紀２ ------------------------------------------------------------------------ 　タイトルに『星船』は残したいんですが。難しいかなあ。星船シリーズって 言うと、なんか『星へ行く船』とかそういうタイトルがあったはずなんで、ア レですが。 　今回は、事件よりも人間関係メインで行こうかなと。１巻でつかんだんで、 こう、アレですね、直接の行為が出ないだけで、心理的にはちょっと『青い体 験』とか、そういった方面の話に持って行きたいですね（してみるとアレもイ タリア映画じゃのう。ああいう体験が向こうのある意味理想なのかなあ）。 　もちろん、大筋に関る事件は起きるし、解決するとは思うんで。その辺を軽 く扱っちゃあいけませんからね。前回姿をくらました例の若頭も出さんとなあ。 彼、面白そうなんですよね。 　呪法宇宙の方は、どうなるんでしょうかねえ。なんとか富士見方面からもう 一度とは思うんですが、実績がないだけに厳しいかなあ。でも、続き書きたい ですね。ある意味、思い入れの一番強い話なので。航星紀はあくまで外伝です から。だからって軽く見ているわけじゃないんですが。この辺が微妙。 　で、まだできてないんですが、結局２巻で一区切りってことになってるんで、 話は完結っぽくなります。っぽいってのは、完結してるわけではないから。 ------------------------------------------------------------------------ ◆太極拳 ------------------------------------------------------------------------ 　最近太極拳やってます。健康法と思われがちですが、じつはアレ、結構恐い 技です。あくまで武術なので、動作をそのまんま人に適用すると、足踏んづけ て、相手の手を掴んでから胸を押して後頭部から叩きつけるとか、両腕を取っ て左右に開いてから蹴り上げるとか、金的狙うのなんか当然で。 　いや、健康法としてやってるんですが：D 　あと見た目にカッコイイですよ。ビシッと型が決まるともうね。どんなに運 動音痴な人間にも、一定水準までマスターできるのもいい。最初に要求される のが型の忠実な再現であって、肉体的な才能はその先にあるんで。 　あと、ゆっくり動くのがきついとよく言われますが、きちんと型を守るとき ついことはきついですが、そんなに厳しくはないです。ゆっくり動くのは套路 を正確に行うためで、実戦では通常の速度で動きます。というか、動きにめり はりがあるようです。去年の暮れ近くに中国の老師の演武を見たんですが、拳 を打ち出す瞬間は凄かったですね。当たったら死ぬ。たぶん。 　あと、達人の身体が異様に重くなるとか、軽く触れられただけでふっ飛ばさ れたとか、その辺のからくりもわかりました。単純に言えば相手の力を利用し て、相手の予想しない力を作用させるということなんですけど、達人になると なにやられたのかわからなくなるって感じなんでしょう。 　基本的に、エネルギー保存則は守られてます：D　よかったよかった（気も介 在してませんな：DDDDDD）。 　今回はこんなところで。 　次はいつになるんだろうか。わかりませんが。まあ、気長にお付き合いお願 いします。 　あ。肝心のことを書いてないじゃん。 『剣の聖刻年代記10　黄金の聖戦士』出ております。デイル編の完結の巻です。 一家に１冊、さらに保存用と見せ用に１冊ずつご購入いただけると、筆者とし ては泣くほどうれしいですが無理にとは申しません。 　っていうか１冊で十分でございます：D 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