=== Jamming WARES ======================================================               ‐聖 刻 混 信‐            1998年08月05日号 通巻3号 ======================================================================== 『虚船』読んでます。ソノラマ文庫の7月の新刊です。  ソノラマの大賞の受賞作ですね。  面白いです。もう、凄いです。  いま一番旬の文庫かも知れません。なんとか言う書き手が書いてるのはこの 際おいといて。  読みながら、頭の中に響いているのはもちろん『謎の円盤UFO』のテーマ であります。スカイダイバーがあんな風に出るとは。もうなにも申しません (笑)  また、いのまたむつみさんのイラストがハマってるんですよ。上手いよなあ。  誤解を恐れずに書けば、『虚船』そのものはいわゆるパロディの小品なので、 これ自体は超ヒット作にはなりにくいかも知れませんが、この本の作者、松浦 秀昭さんの今後の活躍には大期待です。  しかしあそこ、作家の横のつながり弱いからなあ。なんか小規模でも忘年会 とかやってくれれば……それがないからこそのソノラマ文庫なんですけど。で きればお会いしてみたいものです。  ああしかし、そんな場所で本書かせてもらっているのって、あらためて凄い ことなんだなあと思います。考えてみれば、高千穂先生とか、夢枕先生とか、 菊地先生とか、おいらがおばかな学生やってたときからバリバリに活躍されて いた方ばっかりなんだし。  自分がもし大賞に応募していたら……と思うと、なんだか背中が寒いです。  世の中には、ちゃんと実力で賞をもぎとって、こうしてすぐれた作品を残さ れる方もいれば、縁故で書けちゃうおいしい人間もいるわけですね。しかし、 おいしい思いをした人間は、それなりの苦労がその後待ってるわけで。  まあ、楽なもんではないと。どっちにしろ。  卑屈になることもないんですけど、おいしいデビューやっちゃった人間とし ては、賞でデビューされた方の域に達するにはまだ時間がかかりそうです。  今回はメールマガジンの日本語変だったので、修正にとどめたりしました。 ------------------------------------------------------------------------ ◆野球 ------------------------------------------------------------------------  某在京超有名球団がえらいことになってますね。  いま東京ドームで鯉さんズと戦ってますけど、なんだかセリーグ凹み合戦の 様相を呈して参りました。さっき、高橋が逆転ホームラン打ちましたけど、こ れ、相手が港さんズだとここで再逆転されちゃうのよね。  あ。終わった。  むー、ここで凹んじゃうのが現状のセ最弱決定戦たるゆえんか。  両チームとも好きなので、この状態から是非挽回願いたいものですが。  港さんズは、自分たちだけで野球をやってる状態なので、ちょっと好きじゃ ないですね。相手への敬意を忘れてないかっていう。強い球団だし、選手個々 はとても好きなので、がんばって優勝をめざしてほしいんですけど。  あ、関係ないけど、韓国出身選手のみなさんが、みんな怪我してますね。な んともついてないことです。李なんかは本人のせいじゃないんだし。あー趙の 件に触れることになるから無関係でもないのか。 (文中敬称略) ------------------------------------------------------------------------ ◆ラジオ ------------------------------------------------------------------------  伊集院光が好きです。  彼は、いちおうコメディアンという分類に入っているようですが、個人的に は〈詩人〉だと思っています。笑いもこなせる詩人。だから、彼は喋らせると 一級品の実力を発揮しますね。逆に顔出しには弱い。  伊集院光を最初に知ったのは、不覚にも『激突! アゴはずしショー』では なく、オールナイトニッポンの水曜2部からでした。ギャグオペラ歌手を名乗 っていた当時は、いろいろオペラに引っ掛けたギャグやコーナーが多かったわ けですが、これがじつに面白かった。オペラ歌手だったかどうかなんてどうで もよくって(本人にとっては大きな傷らしいですが)、とにかく無条件に面白 かった。というか楽しかった。  当時はまだ若く、めちゃくちゃだったこともあって、破滅的なギャグも多か ったし。  妙に計算した頭の良さを標榜するつまらない芸人ではなく、かといってほと んど本能だけで笑わせる芸人さんでもなく、その頭の良さと落語で培った芸の 確かさのバランス具合は、ビートたけしに匹敵するものがあると思います。  漫才という武器がないので、顔出しはいまいちぱっとしませんけど。なんか のレポーターとか司会ばっかりですからね。彼が脚光を浴びるとしたら、小堺 一機のように司会とトークのパターンで売り出すのしかないのかも……でも、 いただきますに出てる時って、やっぱり小堺一機にはかなわない感じだしなあ。  まあ、そんなの余計なお世話ですけど。わたしごときがなに考えたところで、 そんなの関係なしに最後には残る芸人さんだと思いますし。とにかく、最後ま で行く末を見ていたい人のひとりではあります。はい。  あ、なんでここのタイトルが『ラジオ』なのかっつーと、伊集院がラジオの 人だからです。  コサキンなんかもそうですけどね。 (文中敬称略) ------------------------------------------------------------------------ ◆ガンダム ------------------------------------------------------------------------  じつは、ガンダムにはそれほど思い入れはありません。  わたしの人生を決定したのはザンボット、ボルテス、ダイターンとあとライ ディーンあたりなんで。恥ずかしいけどダイモスなんかもかな。  でも比重が一番大きいのはザンボット、ダイターンです。  この2作品の行き着いた先がガンダムであって、わたしにはある種の必然だ ったのです。  もちろん、アニメックやOUTは買いまくりでしたが。ええ。  で、いまガンダムで仕事をしているのはなんとも不思議な気分です。  ガンダムの中ではなんつっても初代なんですけど、周囲はむしろZ以降で、 若手の人たちが一番影響受けたのはZガンダムだったりして、もう複雑な心境 です。Zはダメ作品だから。わしの中では。  まあ、ダメと言っても程度の話で、もっとダメなものは山のようにあるんで すけど、初代がある種極めていた部分がすっかりなくなっちゃっていて、よく わからない複雑な状況を延々説明するだけで話が過ぎて行く(しまいにゃ説明 にもなってなかった。メイルシュトローム作戦なんて、フィルムコミックやっ てなかったらいまだに内容を把握してすらいなかったでありましょう)という、 とても悲しい状況になってまして。  まーZ好きな人にはいろいろ異論あるんでしょうけど、読み流してくだされ。  どうもこの辺の話すると、初代は古くて懐かしいからそう思うんだよ的なこ と言われるんですけど、じゃあ見てみろという(LD−BOXも出たことだし)。 作画はともかく、凄いんだぞ。演出も脚本も高度で。いまのアニメで、あの時 期のレベルを維持しているのはどれほどだろうかという。  それは、ジブリ作品なんかでもそう感じるんですがね。ま、それはおいとい て。  あ。よくわからない複雑な状況を延々説明って、わしの小説もそうじゃん。  ま、とにかくですね、なんでこんな話を持ち出したのかというと、土曜日に 横浜(正確には桜木町)でガンダム新世紀宣言なるものを観てきたからなので す。  そこでやってた大友克洋氏のCGガンダムが、映像的に凄くってねえ。観て る人間をドツボにはめてくれるって点でも一級品ですけど。ええ。  もしかして、ガンダムはそろそろ新しい人たちの手に委ねられるべきなんで はないのか、という。富野総監督にやめろって言ってるんではなく、ガンダム が世の中に出現した時に、星山博之氏や若手の松崎健一氏などがいて、新しい 作品を作ろうという気風が巻き起こったように、これからはそういった人たち を積極的に発掘して行けばいいのではないのかという。  と、思ったら、来年の新宇宙世紀ガンダムは、キャラクターデザインがカプ コンの安田朗氏だったりして、ちょっとその辺期待しちゃったりね。うー設定 とか脚本とかやってみたいですなあ。  って、昨日打ち合わせで聞いたんだけど、やっぱ大変そうね<脚本  カントク燃えてるらしいっす。  あ、うんと、座ってた席の斜め前が高橋良輔監督と塩山紀生氏だったです。 関係者席だったのねっておいらも一応関係者。 ------------------------------------------------------------------------ ◆ワースブレイド ------------------------------------------------------------------------  6巻書いてて、つくづく思ったです。  野尻抱介さんとも話したんですが、「駆け出しが長編やっちゃいかん」とい うね。  デイルの話引っ張りすぎました。全10巻なんてねえ。書きたい話のためには 足りないくらいなんだけど。  とかなんとか言いながら、野尻さんは1話完結の長期シリーズですからねえ。 やりかたうまいですよ。あれなら、問題なく続けられますよね。メイちゃんか わいいし。  でもこっちはいまさら変えられないからなあ。  あ、処女作は呪法宇宙なんだよね(笑)  いまんとこ、単発作品だから、駆け出しの分相応に短いのだったか。  長期シリーズのつもりで書いてたんですけどね。まあね。  デイルの話は収束に向かってるんで、そろそろ次を考えたいと思ってるんで すが、なにがいいでしょうねえ。千葉は『四操兵』(ワースブレイドRPGの 最初のシナリオの過去話)をやれと言っているんですが。わたしゃ、いつまで 続けられるかわからんので、一気に『剣の物語』(4、5巻に登場したナグゼ リオルが主人公)に行こうかと思ってるんですけど、それだと時代が近すぎて 年代記にならんしなあ。  っていうか、単に目の前の広がりきった風呂敷を畳むのから逃げたがってる だけじゃん。いかんなあ。どうせ次のにかかったって、おなじことで悩むに決 まってるんだから。  なお、次の巻の表紙は、あのギルダール(黒の帝国の実働機で一番強いの) です。凄い絵上がってるんで、お楽しみに。  って、もう見られますけど。  単発で山師の話をやってくれーっていうメールをいただきました。むー。マ ニアックにならないようにやるのは難しくって。これはもう力量の問題なんで すけど。  そのうちなんとかしてみます。  いやしかし、少年ジャンプ方式というか、敵方の配置をですね、そういうふ うに作ってみたんですが、これがドハマり。わしはいまでもギニュー特戦隊+ フリーザって最高の敵役だと思ってるんですが、かなり近くできた感じです。  問題はデイルがスーパーなんとかになれないことなんですがね。その辺はま あなんとか。 ======================================================================== ◆ご意見、ご希望、配信の中止方法がおわかりにならない方は  メール(mahbott@mars.dti.ne.jp)で。 ◆無断転載禁止;_;/ 【聖刻混信‐Jamming WARES‐掲示版1998/08/05             】 【つくってるひと:くさかべ                     】 【わしの部屋(バックナンバー有): http://www.mars.dti.ne.jp/‾mahbott/】 ==================================================== Jamming WARES =====